Haguro Mountain – The Sacred Forest of Rebirth and the Five Elements

羽黒山 ― 五行がめぐる「生まれ変わりの森」羽黒山の参道は、まるで“人の心を整える五行の道”のようでした。
五重塔の木の気に始まり、不動尊の火、水の祠の清らかさを経て、山頂の神々へ——。
その道のりが、今の私の“浄化と再生”の道と重なって見えたのです。

― 三山を結ぶ「生まれ変わりの山」 ―

― 三山を結ぶ「生まれ変わりの山」 ―

山形県鶴岡市にそびえる羽黒山は、
月山・湯殿山とともに「出羽三山（でわさんざん）」のひとつに数えられる霊峰です。
古来より、三山は人の一生を象徴するとされ、
羽黒山は“現世の幸福”、月山は“死後の浄土”、湯殿山は“生まれ変わり”を司ります。
つまり羽黒山は、「今を生きる力」を授かる山なのです。

世界遺産への登録を目指して、県が暫定リストへの搭載などを目指し取り組んでいた時期もありましたが、現在は日本遺産の認定を受けて多様な取り組みを進めているそうです。

そんな中、アメリカの大手メディア【ナショナルジオグラフィック】から、世界の行くべき旅先「Best of the World 2026」に、日本で唯一山形県が選ばれました。

「2024年に日本を訪れる3,700万人のうち、半数以上が東京で過ごし、3分の1が京都を訪れ、約1%が東京から320キロ離れた北の地、山形へ行く」
「山形県は、押し寄せる観光客から逃れられる場所」
というのが選定理由だそうです。

それで多くの旅行者が訪れてくれたら、嬉しい反面、今問題になっている「オーバーツーリズム」も対岸の火事ではなくなりそうですね。
昨年の冬、銀山温泉では入場規制がかかったようですし、なかなか難しい…

🌿信仰と修験の地

さて、羽黒山の開山は6世紀、聖徳太子の時代。
崇峻天皇の皇子・蜂子皇子（はちこのおうじ）が都を逃れ、
この地で修行の末に羽黒山を開いたと伝えられます。
以来、山伏たちが修行する「修験道（しゅげんどう）」の聖地として栄え、
“山の中で死に、月山で蘇り、湯殿山で生まれ変わる”
という、生死再生の道を体現する場所となりました。

🏯五重塔と参道

国宝に指定される羽黒山五重塔は、
樹齢千年を超える杉並木の中にひっそりと立つ木造の塔。
平将門の創建と伝えられ、再建後も千年の風雪に耐えてきました。
その姿は、「木の気（生命）」を象徴し、
訪れる人に“静かな始まり”を教えてくれます。

参道は2446段の石段が続きますが、
その途中には祓川神社・荒澤寺・蜂子神社など、
自然と共に祈りが息づく祠（ほこら）が点在しています。
一歩一歩が「五行」をたどる道でもあり、
木・火・土・金・水——
人の心を整える五つの気が、この山に満ちているのです。

**Haguro Five-Story Pagoda — A thousand-year-old wooden tower standing quietly in the sacred cedar forest.**
A symbol of renewal and the “Wood” element of the Five Elements.

この五重塔への入り口で、御朱印がいただけます。美しいですね✨
この日は時間がなく、五重塔までしか行けなかったので、後日改めて頂上の出羽三山神社まで御朱印をいただきに再チャレンジします！

**Goshuin of the Haguro Five-Story Pagoda.**
A commemorative seal received at one of Japan’s oldest wooden pagodas.

⛩️山頂と三神合祭殿

ということで、後日再チャレンジ！
有料道路（400円）を通ってたどり着いた山頂には、三つの神をひとつに祀る出羽三山神社合祭殿があります。
ここでは、

羽黒山の神（現世利益）
月山の神（死後安息）
湯殿山の神（生まれ変わり）
が一体となり、
“今を生きることそのものが祈りである”と語りかけてきます。

特に羽黒山の山頂は、五行の循環が最も強く交わる場所。
木の生命力🌳、火の浄化🔥、水の癒し💧、土の安定⛰、金の調和⚔がすべてそろい、
訪れる人を静かに包み込みます。

**Dewa Sanzan Shrine — The Hall of the Three Sacred Deities, protected with winter snow-guards.**
In late autumn, the shrine is carefully covered to endure the heavy snow of Haguro Mountain.

🌸癒しと再生の山として

羽黒山は、観光地というより、
「心を整えるための森」と言ったほうがふさわしいような気がします。
2000以上もの石段を登るのは、体力・時間ともになかなかキツイ…💦（私も）という方は、
石段を登らずとも、五重塔の森や祓川のせせらぎに触れるだけでも、
自然と“再生”の気を受け取ることができます。

古典に詠まれた「花の色はうつりにけりな」もまた、生と死、変化と循環の真理を語る歌。
羽黒山はまさにその思想を体現する山であり、
私たちの内なる“五行”を静かに整えてくれる聖域です。

羽黒山は「五行の山」。
木に始まり、水に浄められ、火に祓われ、土に癒され、金に整えられ、
そして再び木へと還る。
その循環を感じていただけたら、と思います。

癒庵-Yuan-

🌍 English Summary — Haguro Mountain & The Five Elements

Haguro Mountain, one of the sacred Dewa Sanzan, is known as the mountain of “living blessings” and spiritual renewal.
Walking through the ancient cedar forest, past the Five-story Pagoda, the gentle stream of Harai River, and the small shrines hidden among the trees, visitors naturally experience the flow of the Five Elements — Wood, Fire, Earth, Metal, and Water.

Wood🌳brings growth and new beginnings in the quiet forest around the pagoda.
Fire🔥 at the Yaksa and Kojin shrines burns away confusion and fear.
Earth🏔 around the Inari Shrine and Yakushi Hall offers grounding and healing.
Metal⚔at the Hakusan Shrine brings clarity, harmony, and inner balance.
Water💧 at Harai River and Toyotama-hime Shrine purifies the heart and lets emotions flow freely.

At the mountaintop, the Three Sacred Deities of Haguro, Gassan, and Yudonosan are enshrined together, symbolizing a cycle of life, death, and rebirth.
Even without climbing all 2,446 stone steps, simply standing in this forested sanctuary allows visitors to feel peace, cleansing, and a quiet sense of renewal.

Haguro Mountain is not only a place to “see” —
it is a place where the heart softly begins again.