東洋と西洋の融合で「癒し」を考える
前回の投稿(①)では、私がアロマセラピーに出会った経緯を簡単にお話しさせていただきました。
今回はその続きとして、東洋で生まれた「陰陽五行」と西洋のアロマセラピーという、まったく別者のようなアプローチからの「癒し」について考察してみます。

「五行」と「五臓」
中医学理論では、「五行」はそれぞれ「肝」「心」「脾」「肺」「腎」の五臓と対応しているとされています。
各臓器の不調の症状例にあてはめてみると、以下のようになります。
肝(木):目の疲れ、怒り・ストレス
心(火):不眠、動悸、喜び・興奮
脾(土):消化不良、倦怠感、心配・悩み
肺(金):呼吸器系、皮膚トラブル、悲しみ・孤独感
腎(水):疲労、冷え、恐怖・不安
もしこれらの不調が感じられた際には、まずは専門医療機関を受診することが重要です。
前回のブログでも書いたように、私は20代の頃に不眠に悩まされ、常に微熱がある中で朝早くからお弁当を作って出勤するのはとても大変でした。
しかも土日は部活動や大会でまったく休めず…今でもつらい記憶です。
あの時、無理をせずに受診すべきだったと思っています。
ぜひ皆さんにも、我慢しないで受診していただきたいと思います。
その前提で、日々の忙しさやストレスなどで、もし少しでも緊張を緩めることができれば改善するというレベルであれば、毎日の生活に取り入れやすいアロマセラピーを試してみてはいかがでしょうか。
「土」=「脾」という考え方

陰陽五行では、5つのエレメントの間に相手を生じる関係=相生(そうせい)と抑制する関係=相剋(そうこく)という関係性があるという考え方が一般的です。
最近、東洋医学にはこんな説もあることを知りました。
「土」が中央にあり、それぞれ「土から木が生える」「火が燃えて灰(土)になる」「土が水をたくわえる」「土から金属が生まれる」ように、「土」が五行の中心にあるいう考え方です。
よって、土=脾臓が健康の要になると『春秋元明苞』という中国の書物に記されています。
(参照:『幸運を招く陰陽五行』稲田義行著/日本実業出版社/2022年)
新版 幸運を招く陰陽五行 [ 稲田 義行
この本を書かれた稲田義行さんは、なんと現役の高校の先生だそうです!
大学で哲学を学ばれ、多くの陰陽五行の本を出版されています。
あの激務の中で、どうやってその時間を捻出されているのか…?
私にはとても想像がつきません!本当に尊敬します。
とても分かりやすく陰陽五行について解説してあり、「占いの源流」についても記されているので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
さて話を戻しますと、東洋医学では「脾」は消化吸収をつかさどると考えられています。
やはり食事は私たち人間にとって、生きるために一番大切なものなのですね。
西洋医学と違って、一つ一つの器官で考えるのではなく、体全体の機能がお互いに影響し合うという考え方なんです。
ストレスや疲労が蓄積してしまうと、そのバランスが崩れて体調不良につながってしまうのです。
次に、陰陽五行をベースにしたアロマセラピーについて考察してみたいと思います。
陰陽五行とアロマセラピー〜五行に対応する香りで心身のバランスを整える
古代中国の五行理論と現代のアロマセラピー、異なる文化圏で生まれた2つの知恵を、現代を生きる私たちなりに融合させて日常に活かしてみてはいかがでしょうか?
このブログを書くにあたり、さまざまな文献や専門サイトを調べてみましたが、それぞれで解釈が異なっていました。その中で、共通しているものを抽出してみたのでご覧ください。
- 木のトラブル(肝):オレンジ・ベルガモット・カモミールなど
- 火のトラブル(心):ラベンダー・ローズ・ローズマリーなど
- 土のトラブル(脾):ペパーミント・パチュリー・マージョラムなど
- 金のトラブル(肺):ティーツリー・ユーカリ・サイプレスなど
- 水のトラブル(腎):ゼラニウム・ジュニパー・シダーウッドなど
例を挙げますと、たとえば火=「心」の不調でイライラしたり眠れなかったりする場合は、私が救われたラベンダーオイルで「鎮静」するというわけです。
金=「肺」のトラブルで呼吸器系が不調な時は、ティーツリーのオイルを熱湯を張った洗面器などに数滴たらして吸い込むとよいとされています。
(主成分のテルピネン-4-オールは、抗ウイルス、抗菌、抗真菌作用などに効果があることが報告されているためです)
*【ご注意ください】アロマセラピーに用いるエッセンシャルオイルは、非常に濃度が高く、原液で肌につけたり吸い込んだりするのは禁忌になっています。
肌に使う場合は、アーモンドオイルなどのキャリアオイル(植物性オイル)や、精製水などで希釈してください。
アロマセラピー初心者の方へ おススメの利用法

前章にも書いたように、私もスクールで学んで知ったのですが、アロマセラピーには禁忌事項もあります。また、気軽に買えるものから高価なものまで、幅広い価格帯も存在します。
そのため、ここでは初心者の方でも気軽に楽しめる方法をご紹介します。
アロマディフューザーで精油(エッセンシャルオイル)を拡散させ、香りを楽しむのが一番簡単です。
購入する際は、「エッセンシャルオイル」を買うようにしてください。これは、花やかんきつ類の皮、樹木などを蒸留したり圧搾したりすることで、100%植物の精油として作られたものです。
「アロマオイル」という名称で、不純物が混ざったものが販売されていることもあるのでご注意ください。
私が実際に使ってよかったと思うものを以下にご紹介いたしますので、よかったら参考になさってみてください。
無印良品 コードレスアロマ超音波アロマディフューザー
お好きな香りのアロマオイルを水を入れてから垂らすと、ほのかな香りが広がります。
【無印良品 公式】コードレス超音波アロマディフューザー・MJ-CAD2

加湿器も兼ねられる大きいサイズもあります
【無印良品 公式】超音波うるおいアロマディフューザー MJ‐UAD1

アロマのエッセンシャルオイルについては、次回の投稿で詳しくご説明するのでお楽しみに!
癒庵
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